Twitterの活用方法等について

アイディアボックスのフォローアップTwitterを11月26日に始めて以来、700を超える方にフォローいただき、#openmetiによるつぶやきも、非常に速いスピードで回転しており、予想以上の反響に驚いています。誠にありがとうございます。

大変反響が大きいので、Twitterの活用方法等について、現時点での暫定的な担当者の考えを書いておきたいと思います。
まず、基本はやはり電子経済産業省アイディアボックスのフォローアップに関する「告知」としての使い方になると考えています。しかし、それのみならず、情報収集や双方向のコミュニケーションについても、積極的に実験していきたいと考えています。ただ、告知を超える部分については、実験なので、どこまでのことができるかということについて、お約束することは難しい点について、ご理解いただければと思います。

また、@ideaboxFUのアカウントは、「電子経済産業省アイディアボックスのフォローアップ」を目的としたものなので、通商政策やものづくり政策や中小企業政策やエネルギー政策などその他の経済産業政策分野について、投げかけていただくのは、不可とは申しませんが、直接の担当者が読むことは保証できませんし、またレスポンスもできませんので、ご理解いただければと思います。

アイディアボックスのフォローアップという狭い範疇ではなく、経済産業政策の他の分野や、他府省においてもTwitterを始めるべきだというご意見も当然あるものと思います。それは、各部署・各府省の判断にもなりますので、もしかしたら始めるかもしれませんが、少なくともアイディアボックスの担当者としては、とにかくすぐにでもあらゆる府省・あらゆる政策がTwitterを始めるべきだとは考えていません。Twitterの活用にしろ、アイディアボックスの実施にしろ、こうした取り組みには、相応に「人」という行政リソース(言い換えれば、血税が投入されている「人件費」)を割かなければならないからです。Twitterやアイディアボックスの意義はあったとしても、これらの実施のためには、追加コストを払うなり、他の行政サービスを削るなりしなければならないわけです。もちろん、無駄の削除・生産性の向上により行政リソースを調達していくべきことは当然ですが、それも一朝一夕にできるものでなく、一歩一歩実現していかなければならないことです。また、行政リソースを投入するにしても、広報・広聴活動、国民の行政参加の促進において、Twitterなりアイディアボックスなりが本当に効率的な方法なのかということを検証しなければなりません。ネットユーザーの方にとっては、利用しやすい方法であったとしても、ネットをあまり利用しない方や年配者の方を考えれば、いい方法ではないかもしれません。アイディアボックスにしても、参加者のほとんどが東京近郊の方だったという結果が出ており、地方の方には参加しづらい方法なのかもしれません。そういった点も含めて、Twitterやアイディアボックスを行政が行うことはどれほど有効かということを検証していくことこそが、実験の意義だと考えていますし、また、その結果は積極的に、経済産業省内や他府省にも発信していきたいと考えています。

さて、話を戻して、Twitterで告知を超える実験部分についての可能性ですが、#openmetiのつぶやきなどについては、可能な限り全部読んでいきたいと考えていますが、ただ、そのすべてをしっかりと受け止め、レスポンスをするなり、何らかのアクションに結び付けていくことができるかといえば、それは難しく、読み流しも多くなると思います。

その理由の1つ目は、Twitterというシステムの性格によるものです。パブコメや行政への意見窓口にTwitterを使ったらとのご意見もありますが、これは難しいと思います。Twitterは、基本的には、蓄積されずに流れていくコミュニケーションの手段だと思われるからです(もちろん、ログをとることはできますが、効率的な手法かという意味において)。行政に意見をしっかりと届けるということにおいては、アイディアボックスのような蓄積型の別の仕組みが必要であるように思います。現時点においては、経済産業省に確実に意見を届ける方法としては、 http://www.meti.go.jp/comment_form/index.html にご意見提出フォームがあるので、こちらをご利用いただければと思います。こちらから提出された意見については、各分野の担当者まで確実に届くようになっています。
ただ、だからTwitterは使えないというのではなく、きっかけや気付きを得ること、コミュニケーションの出発点を作ることなどにおいては、非常に可能性をもったシステムであると考えています。N対1のコミュニケーションではなく、N対Nのコミュニケーションがとれるという意義も大きいです。さらに、同じ時間を共有し、より親近感を感じてもらえるという効果もあると思います。Twitterで出てきている意見をすぐに何かに反映するということは難しいとしても、Twitterで出てきている意見については、担当者が心に留めおきながら仕事をし、何かの機会に、「こんなつぶやきもあったな」と思い出し、考慮に入れていくことはできると思います。つぶやきの本来的な機能は、こうしたことだと考えています。いずれにしても、行政のオープン化を進めるためには、1つのシステムだけでは無理であり、Twitterのみならず、どのようなシステムを組み合わせていけばいいだろうかということは、私たちの大きな検証テーマの1つですので、ぜひともご意見いただければと思います。

理由の2つ目は、Twitterのコミュニケーションの速度で、行政の政策判断を行っていくことは難しいことです。既存政策・施策の解説や事実関係の紹介、Twitterの実験をどう運用していくかといったことは、担当者でも回答ができます。しかし、新たな政策判断が必要となるものについては、政権の方針の下で政府内でもしっかりとした議論が必要ですし、国会での議論をしっかりと踏まえることも必要なため、相応の時間を要するものであり、現実的には、Twitter上でレスポンスを返していくことは困難です。このため、@ideaboxFUのアカウントにおいても、レスポンスできる内容は、既存政策・施策の解説や事実関係の紹介、Twitterの実験をどう運用していくか等に限られてきます。

否定的なコメントが多くなってしまいましたが、行政のTwitter活用について、もちろんその可能性も大きいものだと考えていますので、長い目で見てお付き合いいただければ幸いです。